正しい?タンデムの仕方について考える                                           「サイトの歩き方」も参照してください。

これまで誰に話しても『ふぅーん』とは云う物の、あからさまに疑わしい目つきで押し黙るケースが殆どだった。つまり、誰も信用しなかった話なので敢えてサイトでは書くことを控えていたのだが、何しろ「正しい?」シリーズに関しては、もう、随分と以前からネタ切れ状態となっており、正に開店休業…、読まれる方も多分「へぇー」とは言いつつも、信じないだろうなぁ。それはさておき、五十年ほど前、田舎の高校生たちはバイクに夢中でした。マスコミによれば、現代の若者たちは「車離れ」をしているのだそうですが、当時の熱気を何に例えれば良いのか迷いますが、兎にも角にも若い男子の多くが、如何にしてバイクを手に入れるか大いに悩んだものでした(自家用車は大人の乗り物であり、又、大変高価な物ですから全くの高嶺の花でした)。

そして、今のバイクとは異なり、基本的に独り乗りの車(単車)として作られていましたから、後ろの「席」はあくまでも荷物を載せる「荷台」といった作りになっていたものです。つまり、現在のバイクは小型のものでも運転者の後ろに「もう一人」載せるための構造になっていますが、半世紀前、高校生たちが渇望したバイクで、しっかりとした後部座席(用の仕様)を持った車体のものは限られており、最近の単車を例にとると、新聞配達用の小型バイクのような「荷台」を持ったスタイル(下の画像参照)を想像してもらえば、かなり当時の単車の形に近いと思います。

後席はあくまでも荷台でした。

アルバイトをして費用を何とかねん出するしか方法は無かったのですが、勿論「親の脛をかじる」という天下に良く知られた不滅の魔法を使って念願の愛車を手に入れる者が多かったように思います。兎に角、バイクを所有さえしていれば一応「勝ち組」に名を連ねる事が出来る訳で、女子の熱い視線を集めるためにも単車は必須のアイテムだったのです。

ここからの話は伝聞によるものです(筆者による脚色潤色も幾分?付け加えられてはいます)。いつも誰かの家にたむろしては、夕方から夜遅くまで時には明け方ちかくまで自慢話に華を咲かせている高校四年生仲良し倶楽部のメンバーは、卒業まで後残り少なくなった「高校生生活」を締めくくる一大イベントについて協議を進めた結果、某日午前、バイク四台によるタンデム・ツーリングを敢行することに決めたのです。勿論、皆がみな『交際』している彼女が居た訳ではないので、とりあえずバイクに乗ってくれる女性であれば誰でも良いという極めて緩やかな選抜条件であったにも拘らず、中々、当日の女性側の陣容が固まらなかったのは、半世紀も前、しかも地方の小さな田舎町という場所柄、昼日中「若い男と一緒にバイクに乗る」こと自体が、女子にとって相当勇気のいる決断だったのです。このような「感覚」は、もう今の若者たちには殆ど理解しがたいものかも知れませんが、保守的な風土がまだまだ色濃く残っていた地域は決して少なくなかったのです(多分、知らないと思いますが石坂洋次郎という小説家の原作を映画化したものに『青い山脈』という作品があるのですが、初公開は昭和24年のことで、地方の若者たちを描いて人気でした)。

従がってと言うか、当然のことながら彼女たちはバイクに乗せて貰った経験など無いに等しい訳で、男性陣は道路に並べて止めた単車の前で、勇敢な今日だけの可愛い相棒たちに感謝を捧げたに違いありません。さて、いざ出陣となったのですが、スカート姿の女性たちが後ろの「荷台」に跨ることは有りません。今は余り眼にすることもない「横乗り」がその頃のスタイルでした。男子のほうも、皆、緊張していたのだと思うのですが、後席に女性が乗った途端にちゃんと確認もせずクラッチを放したものですからバイクは「いきなり」走り出します。その時、未だ「荷台」に腰を下ろしたばかりで「手すり替わりのバー」を握っていなかったA子さんは、スタートの反動で、そのまま荷台から転げ落ちてしまったのです。余りの恥ずかしさと驚きのため、悲鳴を上げることすら出来ませんでした。幸い、手足や顔に幾つかの擦り傷を作っただけで済んだのですが「空車」のまま数十メートルも走ってしまったB君の評価が女子の間でガタ落ちになってしまったのは云うまでもありません。

誰だか分かりますか?  現在のバイクは豪華です  かつての大型バイクの後部

正に、嘘のような本当の出来事だったのですが、半世紀も前の我が国は、と謂うか地方の町は長閑なものでした。交通量そのものが今と比較して格段に少なかったからこそ、道路の端っこに転がった若き乙女が後続車に轢かれる災難に遭わずに済んだのです。教訓、タンデムの時は両手で、しっかりと運転手の腰にしがみ付くべし。

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